こんにちは。kenです。
ぼくは妻に「1人に限定して愛情を注ぐことが窮屈だ」という自分の性質をきちんと説明をしました。
そして「他の人を好きになる可能性があるが、だからといって好きじゃなくなるわけなじゃい」ことを理解してもらってポリアモリーのライフスタイルをスタートさせました。
ただポリアモリーと聞くと「ざっくり恋人やパートナー以外の人とも関係を築くこと」と認識されています。
あながち間違いではないんですがポリアモリーの意味や特徴、ハードル、必要な要素などもう少し詳細についてお話していきます。
今日はポリアモリーって何なのか知りたい人
ポリアモリーについての理解を深めたい人に向けて書きました。
今回の記事はトピックスは下記の書籍の内容を参考にしつつ、個人的な見解を添えました。
ポリアモリーに関しての情報を詳しく知りたい方は購入してみることをおすすめします。
光文社新書:著者 橋爪真吾 はじめての不倫学「社会問題」として考える
平凡社新書:著者 深海菊絵 ポリアモリー複数の愛を生きる
記事の前半では「ポリアモリーの特徴」について
記事の中盤では「ポリアモリーであることの兆候」について
記事の後半では「ポリアモリーを実践するハードル」について述べています。
目次
【ポリアモリーってどういう意味?】
ポリアモリーの言葉の定義は難しく一般的には「複数愛を実践している人・ライフスタイル」という意味合いで用いられています。
他にも「責任ある非一夫一婦制」など抽象度を高くした制度的な意味合いで捉えられることもあります。
そしてポリアモリーと相反してモノガミーという言葉もあります。
モノガミーというのは「一人だけを愛する恋愛スタイル・パートナーシップの築き方」のことを指します。
【ポリアモリーでよく誤解される5つのこと】
ポリアモリーでよく誤解されがちな5つのことについてお話していきます。
[①浮気や不倫をするための免罪符ではない]
「自分はポリアモリーなんだよね…」とパートナー以外の人に伝えて関係性をスタートさせる。
でもきちんとパートナーに複数愛を築いていく旨の理解を得ていなければ、それは決してポリアモリーとしてのライフスタイルとは言えません。
このように「ポリアモリーは複数の人との関係性を築く」という定義を浮気や不倫をする際に都合よく捉える人は少なくないようです。
「他にも付き合っている人がいる」という事実をパートナーに共有しておらず理解も得ていない場合は、本人的にはどれだけ誠実にそれぞれの関係性を築いていても、それはただの「誠実な姿勢の二股」です。
ポリアモリーというライフスタイルの根幹には自分にも相手にも「正直である」、「オープンである」ということが挙げられます。
[②性的関係が目的ではない]
ポリアモリーのライフスタイルでポイントになるのが「性的関係を持つこと」が目的ではないということ。
あくまで「感情的にも精神的にも深く向き合って、複数人と人間関係を築くこと」が目的であって性的関係はコミュニケーションの延長線上にあるもの。
自分を含めてポリアモリーの実践者は特にこの点を強調する人は多いです。
「性的関係が目的だ」という誤解が、世間一般的に「不潔」とか「気持ち悪い」というイメージを持たれています。
[③ポリアモリーだからといって必ずしも複数の人と関係性をもっているわけではない]
ポリアモリーのライフスタイルの実践者だとしても、必ずしも皆が複数の人との関係性を築いているわけではありません。
ぼくがポリアモリーのライフスタイルを始めたときのように「これから他の人も好きになる可能性もある」ということを伝えるだけの場合もあります。
[④ポリアモリーを受け入れてカミングアウトしたとしても嫉妬はつきもの]
いくらポリアモリーというライフスタイルに理解を深めたとしても、やっぱりどうしても「嫉妬」の感情は付いて回るもの。
たとえば仕事においても上司が自分ではなく同僚ばかりを評価していると「嫉妬」の念は抱きますよね。
嫉妬は恋愛だけではなくて自分が軽んじられているように感じたり、優先度が低いと思われている時にも起こるものです。
(嫉妬に関しては後で詳しく)
嫉妬を乗り越えて、うまくコミュニケーションを取ることがポリアモリーの実践には特に求められます。
【⑤「他の人を好きになった=あなたが好きじゃなくなった」ということではない】
付き合っている相手やパートナーから「他の人を好きになった」と言われたらどう感じますか?
多くの人が「じゃあ、もう自分のことは好きではないんだ」と感じて「捨てられる」と思ってしまう人も多いんじゃないでしょうか?
でも「他の人を好きになった」ということと「自分が愛されていない」ということは必ずしも結びつくわけではありません。
それは「愛情の形が1対1であるべきだ」という後天的に刷り込まれた思い込みがあることから生じるものです。
たとえばですよ。
子供が2人いたとして今まで第一子に100%の愛情を注いでいたけど、第二子が生まれたからといって第一子への愛情が100%から50%になるというわけではないですよね。
愛情に優先順位がないというのもポリアモリーとして特徴的な概念だといえます。
【ポリアモリーを実践している人の4つの特徴】
ポリアモリーはただ複数の人と関係性を構築できるわけでもありません。
ポリアモリー実践者の間でも最低限守らないといけない特徴がいくつかあるので紹介します。
さきほどの章と一部重複する箇所もあります。
[①パートナーの合意と理解を得ること]
さきほどの章でも書いたんですけど、パートナー並びに関係者全員の合意があった上でなければポリアモリーとしてのライフスタイルとは言えません。
ポリアモリーというのは浮気相手や不倫相手と関係性を作るための都合の良い切り札ではありません。
[②パートナーを所有物として捉えないこと]
お付き合いをすると「自分だけを見て欲しい!」という気持ちが出てきて相手を独占したくなった経験はありますか?
でもその気持ちは「パートナーが他の人にも好意を持つ=自分のことに興味がなくなる」という思い込みがあるから生じるもの。
他の人に好意があるからといって、パートナーへの興味がなくなるわけではありません。
ポリアモリー実践者は「愛すること」と「所有すること」は違うという認識を持っています。
[③結婚制度にとらわれていない]
自分がポリアモリーであることに結婚してから気づく人は少なくありません。
ぼくもそのうちの一人。
ポリアモリーは結婚制度上の社会規範にも縛られない関係作りをするのも特徴のひとつです。
「制度上こうであるから…」というよりも自分の意思で付き合う人や付き合うスタイルを決めます。
[④性的関係が目的ではなく、きちんとその人と向き合うこと]
この「性的関係が目的ではない」というのはポリアモリー実践者の多くが声を大にして言いたいことです。
あくまで重要視しているのが精神的にも感情的にも相手と向き合った関係性作りが目的だということ。
セックスはあくまでもコミュニケーションをすることでの延長線上にあるものと捉えています。
コミュニケーションの可能性のないところに性欲を求めるのは適切ではないと捉えています。
【ひょっとしてあなたもポリアモリーかも…?~ポリアモリーかもしれない2つの兆候~】
記事の中盤に差し掛かりましたが、1つ質問させて下さい。
子供の頃に「好きな人は誰?」と聞かれたときに複数人答えた記憶はありませんか?
ぼくも実際に保育園児の時は「ともよちゃん」と「まゆみちゃん」二人とお付き合いをして、ちびまる子のシールを二人によくあげていました笑。
ぼくのポリアモリーとしての気質は幼少期には既に発揮されていたようです。
10代になり恋愛に関心が向くようなりました。
周りの大人や先輩を見ながら「1対1で関係性を築いていくことが正しい」と思い込むようになってからは、ぼくは限定された一人の人と関係性を作ることに窮屈に感じるようになりました。
窮屈さの原因は当時「自分の恋愛の経験不足だ」と思っていたんですが、今思えばそれは違うと明言できます。
あくまでぼく個人の例を見ながら、ポリアモリーであることの兆候について2つ挙げていきます。
[①付き合いたけど、付き合った途端に同時に閉塞感を感じる]
ぼくは女性と付き合いたいと思って、実際に付き合うことができても同時に「あ、この人だけにしか愛情は注いではいけないんだ」ということがたまらなく窮屈に感じていました。
お付き合いをするたびに毎回言いようのない閉塞感を感じていました。
その閉塞感の理由というのは愛情の注ぎ方に原因がありました。
愛情の注ぎ方が「モノガミー」と「ポリアモリー」で違うんですが、これを例え話にして説明します。
モノガミーの人は愛情の注ぎ方が「やかん方式」なんです。
上手に狙ったコップだけに水を注ぐことができます。
でもポリアモリーの人は愛情の注ぎ方が「チョコレートフォンデュ方式」なんです。
あれって360度全方位で注がれていますよね。
その状態で稼働しているので、ひとつだけのコップに注ごうと思ったらものすごくやりにくいわけです。
うまくひとつだけに注げないしドバドバこぼれてトラブルになるんだったら、そもそも愛情を注ぐこと自体やめようって自分の中でなっていました。
相手が好きなんだけど注ぐのが上手にできない…
この行き場のない愛情がフラストレーションの原因になっていたんです。
だから表面上のお付き合いやコミュニケーションになっていたので相手には寂しい思いをさせていました。
あなたはやかん方式ですか?
それともチョコレートフォンデュ方式がピンときますか?
もし後者だと思うのであればポリアモリーの素質はかなり高いかも。
[②束縛がたまらなく嫌だと感じる]
相手に対する好意って「出す・出さない」と自分でコントロールできるものではありません。
本人の意思に関係なく出てきてしまうもの。
因みにぼくは正直な方でウソが下手くそです。
今まで魅力的に感じる人がいると、その様子はパートナーに勘付かれて束縛されることが多々ありました。
でも相手が束縛という形で、自分の気持ちに蓋をしてくる好意は気持ち良いものではもちろんなく。
相手が自分をコントロールをしようとしている感覚がどうしても腑に落ちませんでした。
というのも「付き合う=相手を所有し束縛・コントロールできる権利を得る」という感じがしてどうもしっくりこなかったのです。
でも中には「嫉妬・束縛されること=愛されている証」として喜ばしいものだと捉えるケースもありますよね。
あなたは束縛されることに対してはどう思いますか?
【ポリアモリーは誰にでもできるものじゃない!?3つのハードルとは!?】
「愛する人の人数を限定しないライフスタイル」とだけ聞くと羨ましいと感じる人もいることでしょう。
でも、実際にポリアモリーを実践するにはクリアするべきいくつかのハードルがあるので紹介しておきます。
[①経済力が必要]
関係性を構築する人数が一人ではないので交際費がかかります。
単純に経済力が必要です。
もしあなたが男性で女性二人とお付き合いをするスタイルを望むのであれば、二人の女性を幸せにしてあげられるだけの経済力が必要です。
人によっては自分だけが過ごす部屋、パートナーと時間を過ごす部屋など状況に応じて幾つも部屋を借りている人もいます。
[②弁が立つことも必要]
ポリアモリーであることをパートナーにカミングアウトする場合、言葉足らずに説明をすると「浮気・不倫をしたい」と相手に大きな誤解をされることも。
相手に理解をしてもらうのであればきちんとした情報を理解してもらうのが必要です。
と同時に、自分の意思や想いをボタンの掛け違いなく相手に伝えることが必要です。
相手にポリアモリーであることをカミングアウトする場合、うまく伝えられる自信がない人は最低限以下の5点について説明することが望ましいです。
①「ポリアモリーであると自覚した経緯」
②「どんな決意をしてポリアモリーというスタイルをスタートさせようと思ったのか?」
③「今の関係を本当に続けていきたいと思っているのか?」
④「相手にポリアモリーだと伝えた上で、どんな状況が自分たちにはベストだと思うのか?」
そしてパートナーときちんと綿密なコミュニケーションをはかるために⑤「今、自分が何を感じているのか?」を常に共有することが求められます。
[③めんどくさい]
複数人と関係性を築くことが出来るのは楽しそうに思うかもしれません。
でも1対1の関係性で一人の人と真剣に向き合うだけでも、それなりのドラマや出来事が起こりますよね。
単純にそれが複数人になるわけなので、めんどくさいです笑
たとえば予定のすり合わせも複数人としないといけないし、偏りがあって嫉妬を生じさせたら都度コミュニケーションも取らないといけない…
このめんどくささが生じた上でも、それが自分の人生の豊かさにつながっていると思えないとポリアモリーの実践はなかなかハードルが高いと思います。
【ポリアモリーを実施する3つのデメリットとは?】
最後にポリアモリーを実践する際にもいくつかのデメリットについて触れていいきます。
[①必ずついてくる嫉妬]
スポーツに怪我はつきものであるのと同じように、ポリアモリーには嫉妬がつきものです。
いくら複数人と関係性を持つことを前提としていても、嫉妬心から100%逃れられることはありません。
正直なところ1対1の関係性の方が気持ち的にも楽でしょう。
嫉妬にも実は細かく見ていくと5種類に分類され、心の動きや精神面などの要因がそれぞれで全く違います。
それらをきちんと把握して嫉妬は起こるべきものであると理解してポリアモリーを実践していくことが必要です。
ざっと嫉妬の種類についても述べておきます。
(1)相手を独占したい嫉妬
相手を独り占めできない場合に起こる嫉妬です。
単純に「相手を独り占めしたい」と考えているからこそ「独り占めできない」ことに対して苛立ちが起こります。
分かりやすく平易な言葉で言うとヤキモチです。
ただ、このヤキモチが生じる背景にはパートナーを所有、私的財産と捉えている側面があることは理解しておく必要があります。
ポリアモリーを実践する上で「相手を独占したい嫉妬」は信頼関係を構築しにくくします。
メッセージとしては「誰にも渡さない」という意図があります。
(2)自分だけが疎外されているように感じる嫉妬
たとえばグループやコミュニティで自分だけが輪の中に入れていない、という経験をしたことはないですか?
友人同士でも仲間はずれにされていたり、自分だけが注目度が低くて相手にされていない時は寂しく感じますよね。
自分だけがのけ者にされているような気がするとき、不安な気持ちがこみ上げ嫉妬心が芽生えてきます。
ポリアモリーのライフスタイルを送るにあたって、この手の嫉妬は「不安を埋めるためにどんな時でも時間を共有していたい」という意図があります。
(3)人と比較した時に感じる嫉妬
たとえば同じ時期に会社に入社した同期がどんどん昇格していった場面を想像してください。
昇格をしていない自分を見たときになんだか惨めな気持ちになって、嫉妬する感情が生まれてきませんか?
これは人と比較をしたときに「自分が劣っているんじゃないか?」と感じたときに起こる嫉妬です。
ポリアモリーのライフスタイルに置き換えると「自分といるよりも、あの人といる方が楽しそう…」とか「自分だと物足りないんじゃないか…」という嫉妬です。
この嫉妬は「自分とパートナーとの絆の深さ」を「他の人とパートナーとの絆の深さ」を比べてしまったときに生じます。
そもそも愛情に優先順位はないというポリアモリーの概念を忘れて「今の自分ではいけないんじゃないだろうか」と自分を受け入れず欠乏感を抱いていることが原因です。
そのため絶えず愛情が自分に注がれているのかを確かめて安心感を得たい衝動に駆られます。
ただ、その安心感もその場限りである場合が多いので、まずは自分のことを「今の自分のままで良い」と受け入れることが大事なポイントです。
(4)世間体を気にしてしまう嫉妬
パートナーが自分以外に新しいパートナーを探していることが世間的に知られたときに生じる嫉妬です。
もう少し言うと「自分という存在がいるのに、パートナーを募集しているのは自分が相手を満足させられていないから」と周りから思われているんじゃないかと感じるときに生じます。
相手の意思を尊重するということよりも、自分が恥をかきたくないということの優先順位が高い時に起こる嫉妬です。
(5)思い込みから生じる嫉妬
「パートナーが自分以外のパートナーを作ること=自分の元から去ってしまう」と思い込んでいる場合に起こる嫉妬です。
これは「1対1が正しい関係性が正しい」という思い込みが強い場合に起こります。
「新しい関係性が始まること」が「今までの関係性が終わること」であるという認識が強い証拠です。
[②社会的評判]
まだまだ世間一般的には「複数の人との関係性を構築すること」は受け入れられているとは言い難い状況です。
やはり1対1の関係性であることが当たり前とされているので、その中でポリアモリーであることを宣言しても周りからは受け入れられにくいでしょう。
とはいうものの自分がポリアモリーであることをオープンにしなければ、同じ境遇で関係性を構築する人とは出会えません。
でも世の中にはポリアモリーに嫌悪感を示す人も少なくないので、社会的に立場がある人からするとオープンにするデメリットが多いかも。
ポリアモリーの実践は「1対1が正しい」という価値観の押し付けと常に背中合わせになります。
ですので、社会からのプレッシャーがあってもポリアモリーを実践していきたいかはきちんと自分と向き合って確認することが必要です。
[③他人からの目を克服すること]
1対1の関係性の形が正しいと大半の人が思っている中で、自分がポリアモリーであることを公表すると周りからは好奇の目で見られることもあります。
ポリアモリーをオープンにすると「変な奴」というレッテルを貼られることになる確率は高いです。
「他人からどう見られるか?」というよりも「自分がどうしたいか?」を優先させる気持ちの強さがポリアモリーを実践するには必要です。